「受け付けるアニメと受け付けないアニメの差はどこにあるのか」
「それを象徴するのがヤマトとガンダムの差ということ?」
「そうだな」
「巨大ロボじゃないの?」
「本質はそうでもないと気づいた」
「じゃあなんだ?」
突然、ひらめいたのでメモ。職業軍人が兵器に乗るのはぎりぎりセーフ。職業軍人でなくても、正当な理由がある場合もそれに準じる。でも、それ無くしてただの少年少女を兵器に乗せるアニメは今さら見たいとも思わない。理由をこじつけ的に後付け設定している場合もそれに準ずる。
「は?」
「ヤマトは基本的に職業軍人が兵器に乗る話。ガンダムはただの少年が兵器に乗る話。どう考えても、アムロは第2話でガンダムから降ろされる。それ以後触る機会も無いはず。そうならないために、アニメではかなり無理のある設定がこじつけられている」
「ひ~」
「マクロスも同じ。更に言えば、エヴァンゲリオンも同じ。最近話題のガールズ・パンツアーも見てないけど同じである可能性がある」
「見ないの?」
「見る気も起きない」
「ひ~」
「それに対して、ヤマトは基本的に職業軍人の話。どんなに若くても古代と島は宇宙戦士訓練学校を出ている。ゴーショーグンも同じ。あれもプロのファイターが雇われてロボに乗る。ゼロテスターもそう」
「ディンギルの少年は? ただの子供だけどヤマトに乗るぞ」
「ああいう便乗パターンは別の扱いで良いだろう。戦ってるわけでは無いので」
「なるほど」
「緊急避難的に民間人も武器を取る、という話はあってよい。しかし、それが恒常的になるとつまらなくなっていく。というか普通はあり得ない。ぎりぎりの状況を抜ければ武器は取り上げられる」
「ジャイロゼッターはどうなのさ。あれもただの少年少女が武器に乗るぞ」
「ああ、ギャグはまた別だ」
「ギャグなのかよ」
「戦うために乗っているわけでは無く、笑わせるために乗っているのだからな」
オマケ §
「民間人が緊急避難的に軍の新兵器に乗って敵を撃退しました。というところまではオッケーだ。戦争とはあらゆることが起こりえるからだ」
「それで?」
「でもさ。落ち着いた時点で民間人は降ろされる」
「凄く上手かったら? アムロはニュータイプなんだよ」
「上手くても降ろされる。指揮官の言うことに従う必要性を叩き込まれていない民間人など、いくら操縦が上手くても軍人としては使いものにならない」
「えー」
「支援を待っている味方がいるのに、『もっといい目標を見つけたのでそっちを攻撃してきました』などというパイロットは要らん」
「ひ~」
オマケ2 §
「というわけで、なぜガンダム0080は受け入れているのかも分かる」
「なぜ? 0080の少年は職業軍人じゃないよ」
「アルフレッド・イズルハはただの少年だが兵器に乗らない。乗るのは職業軍人だけ。0083は主人公が職業軍人」
「それに意味があるわけ?」
「職業軍人だって、子供から見れば良いお兄さん、お姉さんなんだよ」
「その良いお兄さん、お姉さんが兵器に乗って戦ってしまうから話がこじれて悲劇が起きるわけだね」
「職業に誠実であろうとすればそうなる。それが軍人の軍人らしい話なのだ」
「それってどういうこと?」
「だからさ。主人公が軍人ではないがゆえに逆説的に軍人の軍人らしさを描いているとも言えるわけだ」
オマケ13 §
「普通の子供がロボに乗るから、バイファムは否定されるの?」
「否定はされないぞ。バイファムとかリヴァイアスは、子供がロボに乗る理由と、その結果を丁寧に描いているから、子供がロボットに乗るからダメとまでは言わないぞ」
「なら、どうして一般論では子供がロボに乗るとつまらん、と言ってしまうわけ?」
「ロボが存在する理由も、それに子供が乗る理由も、きちんと設定して表現するのが難しいからだろう。つまり大半はつまらなくなる」
「子供が乗る理由って、大人がみんな死んだからで良いのでは?」
「そうじゃない。物語のテーマ的に、子供が乗る理由が必要なのだ」
「たとえば?」
「バイファムなら、子供が背伸びして疑似家族を形成する。小さな子供もいるから、年長者が父母のポジションに立って、面倒を見なければならない。しかし、本当の父母ではなく『ただの背伸び』だから限界がある。だから、私はお母さんじゃないとクレアが切れるわけだ。そこで、最終的にみんなで親を助けに行くという物語的な筋が通る」
オマケIII §
「ギャグならいいの?」
「いいぞ」
「なぜ?」
「そもそも、巨大ロボとかヒーローは突きつめるとギャグにしかならないからだ」
「ヤマトはシリアス作品だよ」
「佐渡先生やアナライザーにかなり救われているぞ」
「ひ~」
「佐渡先生とアナライザーのいないヤマトを考えて見ろ。凄く寂しいぞ」
「復活篇は乗ってないよ」
「腹減った通信班長がいる!」
「2199の佐渡先生とアナライザーはギャグやってくれないよ」
「太田さんが笑いどころを作ってくれる」
「太田さんはどこっ!」